
来たる2/27、紀伊國屋書店新宿本店FORESTにアイドリング!!!のGカップアイドル・谷澤恵里香さんが来店! 「人気主演ドラマ『古代少女ドグちゃん』の映画版(2/20から2週間限定公開)の記念イベントで、抽選会やサイン会などお楽しみ企画が満載!」そこで今回は『ドグちゃん』生みの親の井口昇監督(イベントには不参加)に、映画版のみどころ、ドグちゃんの魅力についてお話をうかがってきました。
■取材・構成/高山リョウ
昔の“東映まんがまつり”のような
―― 監督、今、超多忙なスケジュールとか?
2/2から新作映画『戦闘少女』のクランクインなんですけど、これがすごいスケジュールで、2週間で撮影して6月公開という(笑)…ものすごいスピードで作らなくちゃいけないんですけど、もう頑張るしかないので、逆に脳ミソのテンションは常に上がってますね。とは言っても僕、余裕がある現場ってほとんどやったことがないので、いつも通りとも言えるのですが。
―― 具体的には?
だいたい1日100カット撮るようなスケジュールが普通ですね。ただ今回は僕の他に西村喜廣さんと坂口拓さんの3人が共同監督で、西村さんは1日に140カットとか撮ってるんですよ(笑)! だから僕もそこに追いつかないといけないので、たとえるならものすごいマラソンランナーが前を走ってて、その集団から脱落できない感じです。そして、この撮影が終わったら映画版『ドグちゃん』の公開。もう、次から次へと…
―― TV番組だった『ドグちゃん』、映画化への道のりは?
一番の理由は、大阪のTV番組だったので東京で見れなかったんですよね。作ってた現場は東京だったのですが。それで東京でも見たいという声が上がっていたので、総集編にプラスαした映画版として、多くの人たちに見せてあげたい気持ちはありましたね。
―― 完成品を見ての感想は?
そうですねえ…今回は、ひとつのイベント的な映画になればいいなとの思いもあったので、昔の東映まんがまつりとか東宝チャンピオンまつりのような…お祭りを映画の上映としてやれればいいな、という思いが一番ですね。
―― 作品の内容的には?
基本的にはTV版の総集編なのですが、映画のために追加撮影したカットもありますし、西村監督のパイロット版も入ってますので、すごく…なんでしょうね(笑)…いろんな味の入った幕の内弁当のような、入りすぎて最初の味が何なのかわからなくなるくらいの…
―― カオスな(笑)。
…感じはあると思ってますね。ボリューム感いっぱい、食べごたえアリ、みたいな感じはあるんじゃないかと思ってます、ハイ。
ブキミなものとカワイイもの、くっつけると?
―― まさかの映画化まで来てしまったドグちゃんですが、そもそもの出発点は?
毎日放送の登坂さんというプロデューサーさんから「深夜枠でドラマやるので、一緒に何か考えませんか?」とのお話がありまして、2人でずーっと話しあったんですよ。最初は、特撮アクションものというところからスタートしたんですけど…話が二転三転して、最後には「やっぱ、今の時代に合った、癒しをテーマにした作品ができないか?」みたいな話になって。
―― (笑)。
それで僕もいろいろ考えているうちに煮詰まってしまって(笑)、「だったら、子供時代に見ててなんかホッとした特撮番組みたいなのを、今あえてできないかな?」と考え直して。それで、アニメですけど『うる星やつら』。アレって実写になってないんですね。『うる星やつら』の80年代の雰囲気と、70年代のほのぼのした特撮ものをミックスしたような番組ってできないかなあ?って…。
―― なるほど。
そこで浮かんだのが水着のキャラクター。ヘンな水着を着たキャラクターが活躍する話はどうだろう?って企画書を書いてみたんですね。そしたら登坂さんが「それ面白いじゃんか!」って引っかかってくれて。
―― …なるほど!?
だからやっぱり『うる星やつら』の実写版とか、『ゲゲゲの鬼太郎』の女の子版とか。あるようでなかったような、それでいて、見ていてデジャヴ感というか、なつかしい感じのするような…そういう作品ってどうなんだろう? それもCGに頼りすぎず、敢えて70〜80年代的なアナログの手法で作ってみたら?と考えて。
―― 特殊メイクとか着ぐるみとか、実物の道具を使って?
そうですね。今、TVの深夜番組は“なるべくお金をかけないように…”という風潮なんですけど、そこに敢えて、“お金はないけど、なんと
か工夫して、豪華そうに見えるものを作ろう!”という気持ちで。
―― あ、『ドグちゃん』もお金があったわけではないんですね(笑)。
ないんです(笑)。予算あるように思われてたみたいですけど、深夜番組の平均額より低かったはずです。
―― だけど見てて、着ぐるみとか小道具とか、やたらモノが多いなあって思いました。
そう、モノが多いんですよ! みんなねえ、スキマ恐怖症なんです(笑)。なんか画面いっぱいニギやかにしないと気が収まらない監督とプロデューサーが集まっちゃったんで。
―― それにしても、ヒロインの着る“ヘンな水着”のモチーフがなぜ土偶に?????
「ブキミなものとカワイイもの、くっつけるとどうなるのかな?」って。土偶って、小学校の教科書とかにも載ってましたけど、子供ごころにあのデザインて引っかかるじゃないですか? やっぱ子供って、かわいいものと気持ち悪いものの中間に惹かれるものだと思うんですね。それは怪獣にしても妖怪にしてもおんなじで。だから僕の中では土偶って、怪獣や妖怪と同一線上にあったんです。それを進めて「土偶とかわいい女の子、合体すると一体どうなるんだろう?」って。
谷澤さんが服を来てると逆に違和感が…
―― そんな経緯で土偶と合体させられてしまったドグちゃんこと谷澤恵里香さんですが(笑)、これがアイドル人生の転機となるような当たり役に…
そう…みたいですねえ。ありがとうございます。僕としても嬉しいです。

―― 以前当サイトのインタビューで谷澤さん、
『ドグちゃん』の撮影エピソードで井口監督にもふれていて。なんでも、女言葉で演技指導をしてたとか(笑)?
僕、ノッてくると、なぜかオネエことばになるんですよ(笑)。「いいわよ〜」とか「もっとこうしてネ!」とか(笑)。悩んでる現場では普通に冷静な言葉づかいなんですけど、うまく行ってる現場ではだいたいオネエなんです。別にオカマとかじゃないんですけど、きっと心の中の女性がこう、浮き上がってくるんでしょうね。今回の現場ではだんだんとドグちゃんと一体化してくる感じが…
―― 今、目の前の監督を見ていて、わかる気がします(笑)。なんかドグちゃんに監督が憑衣してるような…
それはありますねえ。谷澤さんも普段はもの静かな方なんですけど、すごく柔軟な感性の持ち主なので、カメラの前に立つと、ドグちゃんになりきれるというか。だいたい僕が身振り手振りをやるんですけど、それを完コピに近い感じで(笑)、
―― (笑)
再現できる方だったので、顔の表情とかまで含めてですね。すごく楽しく現場が進められたんじゃないかと思ってます。
―― ドグちゃんと井口監督と谷澤さんが、シンクロしていた。
そうですね。第1話でドグちゃんのキャラクターについて谷澤さんとよく話し合ったんですけど、「体は10代の女の子だけど、心は5歳児。小動物のように考えてくれ」と。「だから周りで人間たちが悩んだり怒ったりしていても、関係なくニコニコしているようなキャラクターにしてほしい」とお願いしたんですね。それを谷澤さんがうまく汲み取ってくれて、かなり人間でも動物でもないキャラクターを作り上げてくれたなあと。第3話以降は他の監督さん達にお願いしていたので、最終回でまた僕が戻ってきた時、「あ、ドグちゃんてこういう動きするのか」と。谷澤さんによるドグちゃん像がかなり出来上がっていたので、僕が演技指導する必要がほとんどなくなってましたね。逆に教えられたというか。
―― 1話で蒔いた種が、しっかり育っていて。
そうですね。あとはあの土偶ビキニが目に焼き付いていたんで、谷澤さんが服を来てると逆に違和感を感じるように(笑)。現場入る前、おしゃれなカッコして、お化粧してたりすると、「え?」って。
―― ドグちゃんビキニが普段着のように(笑)。
それくらい、ドグちゃんと谷澤さんの一体感があったんでしょうね。
スレスレの所を行ったり来たりしたい
―― 個人的にはドグちゃんが毎回、主人公の男の子のひざまくらで寝入ってしまうのがグッと来ました。
あー、アレは思わぬ反響でしたね。脚本の継田さんが考えてくれたんですけど、思春期の男の子の願望をうまく映像化できたと思います。性的にいやらしい意味じゃない、女の子との無邪気なスキンシップ。女の子本人は自覚してない感じで、見ている人がうらやましく思えるような映像。
―― まさに(笑)!
そういった意味では、ひざまくらっていうのは何かの象徴になるんじゃないかな、とは思ってましたね。とりあえず水着の女の子出しとけばいいだろ、みたいな安直な深夜番組ではなく、それこそ昔なつかしの“健康的なお色気”をやりたかったので。
―― その一方で井口監督といえば、ものすごいエロスの世界を撮り続けてきた印象がありますが。
まあ…いろいろやってきましたけどね(笑)。ながくAVの監督をやってきて、AVの世界ってハダカとかセックスをすごく簡単に撮れちゃうんですね。だから逆に自分の中では常に“わかりやすいセックスシーンを撮ればそれでOK!”みたいな風潮が、なんか釈然としなかったんですよね。ハダカを見せないエロスってできないのかなあ…という思いは昔からずーっとあって。だから有り様としては正反対かもしれないけど、AVでもTVドラマでも、常に挑戦的なことはやっていきたいと思っています。
―― 身も蓋もない、エッチな番組ではなく。
『ドグちゃん』に関していえば、視聴者へのサービスはしたかったけれど、下品な方向には行きたくなかった。胸からビームが出るとか(笑)、あくまで“思春期の男の子が見て面白いもの”という線引きは自分の中にありましたね。
―― どこまで行っちゃうと下品になるんですか?
うーん、何でしょうねえ…だから、あの、うーん…言葉ではうまく言えないですけど、「とりあえず巨乳の子出しとけば、いいんだろ?」みたいな感じはでなく…
―― イージーな方向に流されるのではなく?
何かこう、スレスレの所を行ったり来たりしたいなあって気持ちはありますよね。
次回作は大変なことになります!
―― 『ドグちゃん』のゲスト監督には、豊島圭介
監督、清水崇監督といった鬼才が揃っていましたね。
僕が声をかけさせていただいた方々が多いんですけど、それぞれの方が思う“オレがグッと来るもの”が出てると思います。女性の撮り方、ドグちゃんの撮り方に、それぞれの趣向が見えてくると思います。みなさん、常識もある幼児なので(笑)、僕が作った『ドグちゃん』という砂場で、好き勝手に砂のお城や泥人形作ってる感じはありましたね。
―― まさに泥あそびで土偶を作るような。
そうですね、まさに泥こねて、好きな土偶を作ってくれよ、みたいな。そういう場って、あるようでなかなかなくって。やっぱりTVの連続ものとかになると、決まり事とか色々出て来てしまうので、普通は無難に、安全な方向性に流れがちなんですね。でも今回はそういうのを崩して、怒られたら怒られたでいいじゃないかと。
―― 子供の頃、永井豪のエッチな作品とか、大人に隠れて見てたような。
PTAに怒られる番組、イコール面白い番組というのはありましたよね。子供に見せちゃいけないものこそ、実は子供が一番見たいもの。そうですよね…僕はだから『ドグちゃん』も夜中に放送してましたけど、なるべく子供に見てほしいなって思ってました。そして親に見つかって怒られるような(笑)、そういうことを繰り返して、人って成長していくと思うんですよね。
―― 裏・教育番組のような。
そうですね。谷澤さんのムネの谷間にドギマギしながら見てくれるのが、健全な見方だと思います!
―― 監督の次回作『戦闘少女』も特撮ヒロインもので、今度は杉本有美さんが主演とか?
はい。戦隊ものと『X-MEN』、『片腕マシンガール』と『東京残酷警察』を足したような作品になるはずです。杉本さん、ミュータントの役でヒドいことになりますよ(笑)! えー、ここまでやるか、みたいな感じに…。あと『侍戦隊シンケンジャー』出演の森田涼花さん(アイドリング!!!)、『花のあすか組!』の高山侑子さん。3人主演で、みなさんミュータント、要はバケモノになるので大変なことになります!
―― おお! キリッとした美少女が汚されるのって、たまらないですよね! (笑)
…そうですねえ。賛否両論巻き起こすと思います。「汚すな!」って声と「汚せー!」って声の狭間に。でも東映ビデオさんの作品なので、過去の東映作品へのオマージュとかもあり、見終わったらスカッとした感じになるとは思ってますけどね。 
―― 井口監督の集大成的な作品に。
そうですね、ここのところ女の子アクションものが続いたので、その集大成にできればいいなと思っています。僕自身、あまりそういう作品をやり続けても、見てる人も飽きてくるでしょうし。最初にも申しましたが、今回は3人の監督の共同作品なので、準備段階から楽しいですよね。みんなもう、どうかしてる監督さんばかりなので(笑)、みんなどこまでムチャできるか。『ドグちゃん』の時もとりあえずストップかかるまでは好き勝手やろうと思ってましたが、意外といろんな方に受け入れていただけたので…自分たちで最初から限界を決めず、自由な作品づくりに挑戦したいです。
プロフィール
井口昇(監督・原案)
1969年生。東京都出身。1988年イメージフォーラムフェスティバルで自主映画『わびしゃび』が審査員賞受賞。以降AV監督として活動、1998年には自主映画『クルシメさん』が注目を浴び、一般映画の撮影も開始。代表作に『片腕マシンガール』(2007)『ロボゲイシャ』2009)等。
公式プロフィール:『大人計画』(http://www9.big.or.jp/~otona/profole/p_iguchi.html)
公式ブログ :『きっと男子ばっかり観るだろうから敢えて言うけど女の子集まれ』 (http://blog.livedoor.jp/iguchinoboru/)
バックナンバー
- 2010.2.02 『古代少女ドグちゃん』井口昇監督インタビュー
- 2010.1.22 『手のひらの幸せ』浅利陽介単独インタビュー
- 2010.1.22 『我が至上の愛 ~アストレとセラドン~』ステファニー・クレイヤンクール単独インタビュー
- 2010.1.15 『真幸くあらば』尾野真千子さん単独インタビュー
- 2010.1.15 『蘇りの血』草刈麻有さん単独インタビュー
- 2010.1.14 『影の交渉人 ナニワ人情列伝』竹内力単独インタビュー
- 2009.12.28 『ディア・ドクター』DVD発売・西川美和監督インタビュー
- 2009.12.25 『古代少女ドグちゃん』谷澤恵里香さん単独インタビュー
- 2009.12.25 『俺たちのキャンプ』哀川翔さん単独インタビュー
- 2009.12.21 『よなよなペンギン』りんたろう監督インタビュー
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