俳優として、良き家庭人として、男の憧れ的存在の哀川翔が、毎年夏になると繰り広げているという“哀川キャンプ”。そのスケールから“日本一すごいキャンプ!”とウワサされていた“哀川キャンプ”に、初めて公式にカメラが潜入!  「哀川翔 俺たちのキャンプ」としてDVDで登場する。冷蔵庫、冷凍庫、電子レンジ、洗濯機、シャワールームなどが完備され、肉35キロ、米5升のほか、築地から新鮮な食材の数々を直送!  米軍キャンプさながらの超ド級の2泊3日の“哀川キャンプ”。男の中の男、哀川 翔流のキャンプの真髄をご本人に語ってもらいました!

■取材・構成・撮影/床板京平(OFFICE NIAGARA)

参加者100人超!! 米軍キャンプ並みの“哀川キャンプ”!!

―― そもそも、これだけの大規模に発展していったのは、どんな経緯があったのでしょうか?

子どものころからキャンプはしていましたけど、7年ぐらい前に2家族で始めて、それが家族的なキャンプの始まりですね。伊豆にいいところがあるよ、ということでね。で、実際に行ってみたら面白かったから、ちょっと声をかけたら次の年に20数人集まった。それで、40人、50人と増えて、去年が70人ぐらい。今年は100人を超えちゃった(笑)。全員知り合いなのよ。イベントごとは、だいたい自分の知り合いしか呼ばないけど、現場で初めて会う人ももちろんいますよ。

―― 同じキャンプでも米軍キャンプ並みという表現そのままのスケールに圧倒されますよね。

そうなのよ。30歳ぐらいから誕生日会などのイベントごとをやっていて、こういうの、年に2回ぐらいやるわけですよ。そういう仲間が来てくれる。もう、むちゃくちゃですよ(笑)。今年の誕生日会だって、朝6時から始めて、10時に1回死んだね(笑)。朝が強いってことはあったけど、もうやらない(笑)。キャンプではめいめいに勝手に遊ぶわけ。本当は仮装の道具なども持ってきているけど、今回は出なかった。去年は皆が突然仮装して現われて、面白かったですよ。

―― そんな内容が盛りだくさんの“哀川キャンプ”ですが、ズバリ! 魅力はどこでしょうか?

キャンプってさ、要するに、山があって、川があって、虫はいるし、魚が釣れるし、俺にはもってこいの環境なわけね。虫が採れて、魚が釣れれば、1日つぶれますよ(笑)。だから、キャンプには暇をしている時間がない。これがいいね。夜は、酒飲んで宴会だし、三度の食事もきちんとある。100人いるから朝飯食ったら、当番は昼飯の準備を始めるわけだけど、静岡県にあるいい場所でね。日本で1番か2番目にきれいな川が流れているの。ガンガン、魚が泳いでいますよ。

“哀川キャンプ”とは、癒しではなく、闘いだ!

―― “哀川キャンプ”の参加メンバーたちが、めいめいに個人活動をしているのが意外でした。

そうそう。結局ね、相手は大自然なわけよ。で、自分に合った自然との遊びかたがあるはずだから、そこにあまり決めごとを作るのはよくないよ。釣りしたい奴は、永遠に釣りしていればいい。細かいタイムテーブルを作ってしまうと、面倒くさいし、遊びが中途半端になっちゃうのよ。スケジュールをこなすことが目的になってしまったら、つまらないでしょ?  俺はいかに自然と闘うのかが、1つのテーマですね。闘いですよ。自然は毎年変わっている。これはもう闘いですね。

―― 通常のキャンプのイメージでは、闘いというより、癒しを求めて遊ぶような気もしますが。

俺の場合は闘いが癒し。4時間釣りしていることは闘い。絶対に釣りたい、目的は釣ることだからね。俺は息抜きが要らないのよ、別に。翌日仕事に行きますよ。酒飲んでも次の日、仕事に行くじゃないですか。あれは息抜きじゃない。闘いですよ。寝て休めばいいのに。飲むのは闘いだね。俺の息抜きは寝ている時だけ。起きている時はすべてに対応しないといけないから。もう疲れますよ。だから、キャンプでは仕切らない。皆のペースがあるからね。これが自然じゃないかな。

―― 仕切らなくても、ご飯の時間になると、全員がそろって一緒に食べるのが面白いですよね。

キャンプって不思議よ。ご飯の時間だけ伝えると、全員食べに戻ってくるから(笑)。都会じゃ、今日は昼飯要らないっていう人いるでしょ。キャンプにはそういう人、いないね。今は12月だけど、今から温めていかないと、いきなりキャンプはできないよ。冬のイベントごとはないけど、2月にカミさんの誕生日があって、その時はだいたい150人ぐらい集まるかな。2月の打ち合わせをもうしていますよ。仕事より大変だよ(笑)。また、仕切るのが好きな奴らがいるからね(笑)。

カブトムシをいかに長く生かしてやれるかが俺のテーマ

―― キャンプに魚釣り、虫好きになったのは、少年期に鹿児島で育った環境が大きいですか?

虫や釣りが好きなのは定番。昔は皆好きだったと思うよ。だんだん遠ざかっていったけど、俺だけはそうならなかった(笑)。今、カブトムシが幼虫から成虫になって、それを7~8年繰り返している。勝手に卵産んで、孵化していますよ。今は50匹位。幼虫は何匹いるのかわからないね。でも、だいたいは逃げちゃうよ。すごいよ、あいつら。フタしていても全然ダメ。プラスチックのフタを破るのよ。ヘラクレスのメスも逃げてショックだった。3日間ぐらい探したけど、ダメ。

―― それだけたくさんのカブトムシに囲まれて暮らしていると、人間並みに愛着が沸くとか?

かわいくないですよ(笑)。面白いじゃない? 不思議でしょ。どう考えたって形がおかしい(笑)。海外の奴はどうみても無意味にでかい。お前、不便だろ?  みたいな(笑)。そういう意味だと、日本のオオクワガタの完成度が一番高いね。無駄がない。俺にとっては、寿命が短いアイツらを長く生かしてやることがテーマだね。へたっていても、エサあげれば元気になるよ。今はいいエサがいっぱい出ている。高たんぱく、高カロリーのエサが(笑)。けっこううまいらしいですよ。

―― 哀川さんといえば、早寝早起きのイメージもありますが、その習慣は昔からでしょうか?

子どもが生まれてからね。それで早寝早起きになったよ。子どもが夜中に泣いたら寝られないから、それで先に寝てやろうというね(笑)。でもね、家族皆で同時に寝れば、子どもは泣かない。親だけ起きているから泣くわけよ。子どもは寝ながら親の様子を探るのよ。それでいないから起きちゃう。生まれて3~4か月ぐらいはカブトムシと同じ。大人がちゃんと面倒見てやらないと泣く。大人は感情を刺激されるけど、子どもが泣く理由なんて少ない。3~4個しかないと思う。

 

哀川翔、子どものころのニックネームは“無口君”!?

―― これだけ遊びと仕事が大充実していると、どちらも楽しそうですが、いかがでしょうか?

仕事は楽しくないというか、あまり好きじゃないわけ。嫌でしょ? 仕事(笑)。学校卒業しても、まだセリフ覚えないといけない。これ、テストだったら満点採れるよ。違う人格になれること?  全然面白くないよ(笑)。でも、仕事だから、嫌だけど、いいものは作りたい。好きか嫌いかなら、嫌いという感じ。仕事しなくていいなら、釣りばっかりやっていますよ。でも、生きていくためには仕事は大事。遊んでいたのではメシは喰えない。俺の仕事は俳優だって話ですよ。

―― デビュー当初から、最終的に俳優になりたいという希望や夢があったのではないですか?

いや。気がついたら俳優になっていたね。最初のころは嫌だったよ(笑)。子どものころから無口で、“無口君”と言われていましたよ。本当だって(笑)。それぐらい黙っていたよ。魚釣りや虫獲り、何かを捕獲することに異常な執念を燃やしていた。狩猟民族だね。漁好きだし。海に行ったらヒマになるのは嫌で、干潮になると魚の流れも止まるから、すぐに貝を獲る。まあ、キャンプは俺のスイッチが入る遊びだよね。普段は半分ぐらいの感じだけど、遊びは全開ですよ(笑)。

―― 全力で仕事をして、全力で遊びまくるということは、そうとう疲れる作業ですよね?(笑)

そうかもしれないね。面白く遊ぶって大変なことよ。でも、大変なことを大変と思わないでやるのが、遊びだから。気持ちが入っているからね。皆ぐったりしちゃうけど、でも、それでいいわけ。それが遊びよ。仕事だって同じだよ。もう夜飲みに行く元気ないもの(笑)。昔は体力が異常にあったから、高校生のころは4日半ぐらい起きていたよ。まあ、とにかく、こういうのもキャンプだよっていうことを知ってほしいね。豪華なアウトドアですよ。命賭けていますから(笑)。

 

プロフィール
哀川 翔

1961年生。徳島県出身。一世風靡セピアのメンバーとして「前略、道の上により」でレコードデビュー。文字通り、一世を風靡した後、俳優として、テレビドラマ「とんぼ」(88)、「しゃぼん玉」(91)、「新幹線物語'93夏」(93)など話題作の数々に出演を重ねる。同時に、東映Vシネマの「ネオチンピラ 鉄砲玉ぴゅ~」(91)を大ヒットさせ、以後“Vシネマの帝王”として、「とられてたまるか」シリーズなどの人気作を続々とリリースする。映画では、デビュー作の『この胸のときめきを』(88)以降、『獅子王たちの夏』(91)、『黄泉がえり』(03)などを経て、主演100本記念作として放った三池崇史監督の『ゼブラーマン』(04)で演じた哀愁あふれるヒーロー像が大反響を巻き起こし、数々の映画賞を受賞。続編『ゼブラーマン2 ゼブラシティの逆襲』が、2010年5月1日から公開予定。また、2010年春公開予定の『昆虫探偵 ヨシダヨシミ』が、虫好きの哀川 翔にピッタリの配役ということで、早くから話題になっている。

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