オーディオヴィジュアル専門誌HiViの編集長・泉さんに聞く~素晴らしきブルーレイの世界~第3弾!!「今年は、まさにブルーレイ普及元年!」と語る泉さんに、今回もオススメタイトルをピックアップしていただきました。HiVi9月号(8月17日発売)の“特別付録”ブルーレイ体験ディスクの「凄い中身」についても語っていただきました!!!

BDソフトも1000タイトル超え、今年はまさにBD普及元年です。

――ブルーレイ(以下BD)は確実に浸透してきましたね。

地デジ化やエコポイントの影響もあり、この半年間でBDという言葉は急激に認知されましたね。店頭価格でレコーダーは5万円台、プレーヤーにいたっては3万円をきった製品も発売され、より身近な存在になりつつある。BDソフトのリリースも1000タイトルを超え、今年はまさにBD普及元年です。

――これからBDを楽しむ醍醐味はどんなところにありますか?

BDは映画の家庭用パッケージメディアとして最高の、そしておそらく最後の12cm光ディスクになるでしょう。前回、映画スタジオやハードウェアメーカーがディスクの完成度を高めるために奮闘中というお話をさせていただきましたが、その成果が確実に表れています。最新作が高画質・高音質なのはもちろんのこと、これからは“旧作がこんなにキレイ”という感動を味わってほしい。旧作の楽しさを再チェックする、そんな時期に突入したと思います。

『ディレクターズカット ウッドストック/愛と平和と音楽の3日間』は、音はかつてないレベルに達しています。

――では早速、最近視聴された中でオススメを教えてください。

弊誌8月号でも紹介していますが、『ディレクターズカット ウッドストック/愛と平和と音楽の3日間』です。さすがに絵は甘い印象をぬぐえませんが、音はかつてないレベルに達しています。ウッドストックをこれほどのハイクオリティな音で聞けるなんて! とにかくテンション上がりますよ。特に50代くらいのリアルタイムのウッドストック・ファンなら、BDならではの新しい魅力を発見できるはず。本編224分という長丁場なので、当時の雰囲気を懐かしみつつ、じっくり腰を据えて見てほしい。こういうカルチャーを感じさせるタイトルのリリースは大歓迎ですね。

キューブリックの『博士の異常な愛情』もワクワクしました。モノクロ作品で、背景にザワザワしたノイズは残っているんですが、グレイン感(フィルムの粒子)として見れば、100インチスクリーンで見てもそんなに気にはならない。モノクロらしいコントラスト感が立っていて、映画ファンは押さえてほしい1本です。

――最初から熱いですね(笑)。では9月以降の注目タイトルを教えてください。

後半の目玉は東宝の2大看板、まさしく邦画のキラーソフトです。まずは東宝特撮セレクションが9月に登場。初回ラインナップは『ゴジラ』『ゴジラVSビオランテ』『ゴジラ ファイナルウォーズ』『モスラ』『空の大怪獣 ラドン』の5タイトルで、以降もリリースが予定されています。とても丁寧なマスタリングを施しているということなので、「特撮といえば東宝」世代はもちろん、日本人としてゴジラ1作目は見逃せないでしょう。

――そこまで言いますか(笑)。もう一つは何でしょうか?

10月に黒澤明監督作が控えています。『七人の侍』『椿三十郎』『影武者』『姿三四郎』『續姿三四郎』『悪い奴ほどよく眠る』『虎の尾を踏む男達』の7タイトルで、単品発売と同時にボックスもお目見え。東宝は従来、新フォーマットへの参入は慎重な姿勢をとるメーカーです。東宝が動けば他のメーカーが追随する可能性が高いので、これをきっかけにもっとリリース数が増えるといいですね。

永遠の名作『ダーククリスタル』マペットの質感の仕上りに期待

――洋画に関してはいかがですか?

ロバート・アルトマン監督の反戦映画『マッシュ』は自然の中での戦争のバカバカしさ、CGでは味わえないロケによる壮大な映像を堪能したい。『続・夕陽のガンマン』も楽しみ。丁寧に作り直していれば、相当に映像の抜けがいいと思います。若い人にとってはクリント・イーストウッドといえば、老優とか名監督とか、そういうイメージでしょ?でも、西部劇時代の彼も是非知ってほしい。シビレますよ。DVD初期のときに画質が素晴らしいと騒がれた『コンタクト』もリリースされます。ハイビジョン放送もされましたが、BDはそれ以上の実力を発揮してくれるでしょう。

――『ダーククリスタル』『ラビリンス 魔王の迷宮』などジム・ヘンソン監督作も気になります。

マニアですね~。『ダーククリスタル』は永遠の名作。キャラクターはすべて着ぐるみだったり、人間が動かしたりしていますが、その匂いが全然しない。まさにマペットのお手本です。いちファンとして、マペットの質感の仕上りに期待したい。『ラビリンス 魔王の迷宮』は、ジェニファー・コネリーの可愛さや若きデビッド・ボウイの魔王の魅力など見所がたくさんありますね。
――アニメはどうでしょう?

『銀河鉄道999』については、HiVi9月号で松本零士さんにインタビューをしています。その際に聞いた話では、本作のオリジナルネガフィルムはフィルム缶に収めた状態で、一定の温度と湿度の下で大切に保管されていたようなのです。今回は、そのオリジナルネガから新たにテレシネを行なっているそうですので、かつてない品質が実現されるのではないかと楽しみにしています。こういった制作サイドの気配りと情熱は嬉しい限りです。ディズニークラシックは『眠れる森の美女』『ピノキオ』の修復が丁寧だったので、『白雪姫』の絵の完成度も今から楽しみですね。

――せっかくなので最新作もお願いします。

クリント・イーストウッド監督・主演の『グラン・トリノ』は作品としても外せません。ダーティハリーが年を重ね、世をすねたら、あんな風になるのかな、と(笑)。久々に繰り返し見たい気持ちにさせてくれた名作です。アメコミファンには『ウォッチメン』。映像と音の両面で圧倒されそうです。『スター・トレック』は最新BDの実力を味わいつくしてください。年末頃には『崖の上のポニョ』が登場しますね。こちらも噂ではマスターから圧縮方式に至るまで、かなり厳密にテストをしているようなので、きっと素晴らしいディスクになることでしょう。宮崎アニメはファンが多いので、本作からBDデビューという人も多いはず。ジブリさん、ヨロシクお願いしますよ。

HiVi9月号には、20世紀フォックス作品の名シーンばかりを揃えた、高品質デモBDがついいてきます!!

――魅力的なタイトルが続々ですね。

本当ですね。映画ファンとしてこんなにいい時代に生まれてよかったー(笑)。5年前には、こんなにお手軽に、これほどの画質・音質を楽しめる時代がくるなんて、想像できませんでしたからね。

BDソフトの質も急激に良くなったのに加え、最近は自動画質調整機能を搭載したテレビも複数発売されているんです。東芝、日立がその代表格ですが、これらのテレビは部屋の明るさなどの部屋の環境を判別して、自動的に一番いい映像で再現してくれるんです。映画ソフトの場合にはフィルムらしいコマ再現にまで配慮してくれるんですよ、信じられますか? 

また、そういう機能がついていない場合でも、部屋の照明を少し落として、「映画」「シネマ」といった映像ポジションを選んでくれれば、絵の印象はぐっと良くなるはずです。あとは音が良くなれば鬼に金棒。アンプなどAV機器を揃えていただいて、自分の愛する作品をBDでウォッチし直せば、贅沢かつ有意義な時間が過ごせると思いますよ。

――ところで9月号のHiViには「20世紀フォックスデモBD」の特別付録がつくそうですね。

はい、20世紀フォックス作品の名シーンばかりを揃えた、映画ファン必携の高品質デモBDです。弊誌としてもBDを付録にするのは、これが初めて。BDの高画質・高音質が分かりやすいようにアクション中心のややマニアックなセレクトになっていますが、『キングダム・オブ・ヘブン』『パットン大戦車軍団』『エネミー・ライン』『ダイ・ハード4.0』といった本編デモ映像のほか、『オーストラリア』『007/慰めの報酬』『マックス・ペイン』などの予告編も収録。120インチで何度もチェックしましたが、手前味噌ながら、本当によく出来ている(笑)。

“サラウンドって楽しい”“絵も緻密”そんなBDの凄さを一人でも多くの人に体感してほしい。DVDかBDかで迷っている方は、これでBDへの踏ん切りがつくと思いますよ。一家に一枚、是非!

 

HiVi

1983年12月、オーディオの感動を世に広めることを目標にした出版社、ステレオサウンド社より発刊。「大画面・高画質・高音質・サラウンド」の4大視点に注目して、AV機器のあるべき姿とその魅力を追求。その姿勢に共感を受けたオーディオマニアから熱烈な支持を受けるデジタルAV界のトップリーディング・マガジン。

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