深夜ドラマで大人気を博した「ロス:タイム:ライフ」。その注目作がauオリジナル製作のケータイドラマで復活!  谷村美月主演の第1弾「ロス:タイム:ライフ」猫篇に続いて登場したのが、ロックスター篇。死の直前に命の貯金“ロスタイムライフ”が戻ってきた主人公を演じた、俳優・ミュージシャンの武田真治さんに話を聞く!(取材・構成/床板京平)

演じたことがないキャラクターだったので楽しかった

―― 今回の“ロックスター篇”には脚本の段階から参加されたそうですね?

そうですね。いつもそんなに偉そうなことをしているわけではないんですが(笑)、今回はミュージシャンの役だったので、製作サイドの僕へのリサーチという意味合いもあったから実現したのだと思います。いろいろと意見を言わせていただいたり、逆に意見を聞かせていただいたり、そんなミーティングの場を設けていただいたというイメージですね。クランクインの直前に数回、衣装や顔合わせなども含めて、参加させていただきました。

―― ご自身もサックス奏者ミュージシャンとして活躍されていますからね!

ええ。音楽を糧にしている人間の行動力といいますか、思い立ったときの行動などを改めて考えたときに、最初の準備稿よりもいろいろとアイデアを出させていただきました。それを脚本に反映していただいて、よりおもしろい作品に仕上がったと思います。もともとCXで深夜に放送されていたドラマも観ていて大好きだったので、今回のauオリジナル製作のドラマもシリーズのおもしろみを加味した内容に仕上がっていて楽しめると思います。

―― その「ロックスター篇」ですが、実際に演じてみていかがでしょうか?

僕が演じたロックシンガー・城のようなキャラクターはいままで演じたことがないような役柄だったので、すごい楽しかったですね(笑)。ちょっとあんちゃん系ですが、態度がデカく、傍若無人な男(笑)。自分の気の小ささを言葉の数で埋めようとするような性格なんです。演じたことがなかったジャンルなのでとても楽しみにして撮影に臨みましたが、最初の数日間は僕自身がそういう人間に思われないかとヒヤヒヤしていましたよ(笑)

役のイメージを否定する努力のほうが大変です(笑)

―― 城のような男に思われるということは集中していることの裏返しでは?

だといいですが(笑)。スタッフさんたちにニックネームを付けて呼んでいたら、なんだか距離が出来ちゃったんですよ(笑)。なんとなく気を使われてしまって(笑)。決して好意的な態度ではないですよ。現場で1人が機嫌が悪いと、すごい空気って悪くなるじゃないですか。とくに今回みたいに物語の1話から主人公がそういう嫌なキャラクターで始まる場合、どうしても嫌な奴になっちゃうんですよね。現場は楽しいほうがいいですよ。

―― 武田さんが城のような男ではないことはすぐわかると思いますが(笑)

(笑)。ジム・キャリーが自分とかけ離れたキャラクターを演じるときに撮影現場に精神カウンセラーを置くそうなんです。日本の現場にもそういうシステムがほしいなと思っちゃいました(笑)。現場に自分のブレインが多い俳優さんなどは、そういう形で相談などをしながら演技に打ち込むのかなとも思いました。そこまで大げさではないのかな?  ただ、嫌な奴と思われながら仕事をするのは、ね(笑)。革パンで、自分大好きみたいな。

―― 城はきっと、ナルシストっぽいキャラクターも含まれていそうですね!

ですよね(笑)。Tシャツも赤いキラキラしたデザインだったし、自分も同じような奴に思われたら嫌だなと。いい歳してナルシストってカッコ悪いじゃないですか!(笑)。だから5日間の撮影でしたが、2回ほど差し入れしましたよ(笑)。武田真治っていう人間が業界の共通認識としてあれば問題はないですが、ロックシンガー・城のようなキャラクターって思われたらサイアク。役作りというより、否定する努力のほうが大変でした(笑)

わずか69分間のロスタイムで、人生が変わるんです!

―― また、普通の地上波ドラマと同じレベルのクオリティが見ものですね!

そうなんです。深夜ドラマから派生したケータイ動画の企画ですが、むしろスケールアップしていたといってもいいかもしれません。クレーンも毎日使っていたような気がするな(笑)。3メートル程度でもクレーンはクレーンですし、レンタルしたり許可を得たりいろいろいと面倒な手続もあるそうなんです。深夜ドラマでさえ大変なことをケータイドラマでやっていたと思います。引きの映像なども撮っていて、毎日圧倒されていましたね。

―― いま撮影全体を振り返ってみて、思い出されることなどはありますか?

そうですね。最初の1日~2日以降は楽しく、和気あいあいと。僕への誤解も晴れてね(笑)。演技にも集中していたと思います。キャラクターのイメージは監督が作り出したものなので、何かをモチーフにしたといえば、解散したバンドと、お互いに本音を言えず対立してしまったメンバー同士というシチュエーションでしょうね。よく聞くじゃないですか。バンドの性格の不一致的な(笑)。一般的なロックスターにまつわるイメージですね。

―― 初めてのキャラクター、ご自身に対してプラスの要素もあったのでは?

彼に嫌な部分しかなければ何の手応えもなかったと思います。言葉遣いが変わるとか、そういうことはないですが、わずか69分間のロスタイムで人生が変わるんです。環境や友人に対して感謝の言葉をかけるとか、ありがたみに気づくわけです。精神的な成長ですよね。そこの部分ではやりがいがあって、手応えもありました。ストーリーのなかでどれだけ変化するかがおもしろくて、その意味でも今回はすごい発見があったなと思っています。

 

プロフィール

武田真治(ロックシンガー・城修人 役)

1972年生。北海道出身。第2回JUNONスーパーボーイコンテストグランプリを経て芸能界へ。1992年、ドラマ「NIGHT HEAD」で俳優としてブレイク後、数多くのTVドラマに出演。映画でも『御法度』(99)『嫌われ松子の一生』(06)『子猫の涙』(08)など話題作へ出演を重ねる。近年は「エリザベート」(08)のトート役などの舞台出演もこなすほか、バラエティ番組「めちゃ×2イケてるッ!」やサックス奏者として「新堂本兄弟」などにレギュラー出演。多才ぶりを発揮している。

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