
第1回「日本ラブストーリー大賞」を受賞した同名小説を映画化したラブストーリー『カフーを待ちわびて』。不器用な若者と謎めいた美女が出会い、彼らに降りかかるさまざまな困難を乗り越えてかけがえのない存在となっていく過程を描くピュアな物語。その美女を『山のあなた 徳市の恋』のマイコが好演。お話をうかがった。 (取材・構成・撮影/床板京平)
相手の幸せを願うことって素敵なことだと思いました
―― 『カフーを待ちわびて』は心優しくなれる映画ですね。最初の印象は?
最初に原作を読みました。活字をとおして舞台となっている沖縄の雰囲気がすごい伝わってきて、ゆっくりとした、沖縄独特の空気感が心地よかったです。まるで自分もそこにいるかのような気持ちになりましたね。全体を見渡しても激しい抑揚があるような物語ではないので、癒しといいますか、幸せになれる物語だと思いました。
―― 撮影中はどんなことを思いながら、幸という女性を演じていましたか?
沖縄に着いてからも役作りを続けていましたが、頭がかちかちになってしまったので(笑)、思い切って役作りを止めたんです。気候も良くて沖縄の空気に触れたらポジティブな気持ちになれて、そうしたらそのまま自然でいようかなって思えるようになったんです。幸は重い過去があるので、そこだけは頭の隅に置いておきました。
――
幸というキャラクターと出会う前といまでは何か変化はありましたか?
考え方が少し変化したかもしれないですね。映画のなかに出てくるセリフで“あなたが幸せならわたしは幸せです”というフレーズをこれまで考えつかなかったんです。そんなふうに思ったことがなかったし、自分でいっぱいいっぱいの生活だったんです。相手の幸せを願うことって簡単ではないですが、素敵なことだと思いました。
仕事として、勉強として映画を観るようになりました
――
『山のあなた 徳市の恋』に続いての映画の仕事です。ご感想などは?
まだ2作目ですが、『山のあなた 徳市の恋』はカバーだったのでお手本、テキストがありました。100回ぐらい観ましたので、不安はなかったんです。今回は初めて自由に演じるという意味ではとても大変で、戸惑いもありながら勉強の現場だったなと思います。ベースがないからこそ大変。初めての体験なので助けてもらいました。
―― 今後『山形スクリーム』も。映画に出る側になった感想はどうですか?
おもしろいです。正直、女優を始める前はそれほど映画を観ていたわけではなかったんです。友だちと週末に観に行く程度でしたが、観方が変わったというのはあると思います。技術的な視点や感情の持っていき方など、すんなり楽しんで観ることはなくなったような気がします(笑)。仕事として勉強として観るようになりました。
―― 具体的には映画の仕事、演じる仕事は、どんなところが楽しいですか?
映画館にはあまり行けなくなっちゃいましたが、映画の現場は自分にあっているような気がします。マイペースなので乱れちゃうと慌てちゃうのですが、映画の現場には待ち時間がけっこうあるので、それが心地よいです。じっくり贅沢に作るので落ち着きますし、演技に100%の力を注げる。全神経集中させる。これが楽しいです。
撮影中アカデミー賞のことを考えたことはない(笑)
―― 将来的に演じるとしたらどんなキャラクターに挑戦してみたいですか?
何でもトライしてはみたいんですけれど、クールな役をやってみたいですね(笑)。いままで2本とも愛されるキャラクターだったので、次回はヒール役まではいかなくても悪役のような(笑)、言葉の数も少なく、クー^ルな女性を演じてみたいと思います。キャラクターをとおして、そういう一面も見せていければいいですよね。
―― 自分にないキャラクター、自分から遠い場合は作り込むタイプですか?
監督によって違ったりするんですよね。ガチガチに固めたほうがいい監督と、全部預けて決めてくれるような場合。かけ離れている場合は委ねたほうがいいと思いますね。ただ結局は自分の中にある感情を出しているので、キャラクターをとおして自分を見せている感じが不思議ですね。すごい楽しい経験をさせていただいています。
―― マイコさんから映画を待っているファンへメッセージをお願いします!
わたしは優しい波のような穏やかな映画だと思っています。大きな出来事や事件などは起こりませんが、それぞれが何かを抱えていて、ラブストーリーではあるけれど、男女の話だけでなく、島全体の人々の愛情あふれる物語になっています。身近にカフーっていっぱいあるそうです。そんなことに目を向けてもらえたらと思います。
プロフィール
マイコ(幸 役)
1985年3月15日生。アメリカ/シアトル出身。2006年に放送された資生堂の企業CMでデビュー。石井克人監督による『山のあなた~徳市の恋~』(08)のヒロイン役に大抜擢され、日本女性の美しさを和服を着こなしながら見事に体現して一躍注目を集める。『カフーを待ちわびて』に続いて、竹中直人がメガホンを取ったホラー作品『山形スクリーム』(09)が公開待機中。オフィシャルブログ「マイコha-n!」でマイコさんの最新情報をチェックだ。
バックナンバー
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