不良に憧れる中学生が不良の世界に飛び込み、ケンカ尽くしの日々を送りながら友情や愛情の重みを知っていく青春ストーリー『ドロップ』。成宮寛貴、水嶋ヒロら人気若手キャストの男気あふれる熱演も話題だが、品川監督の長編初監督とは思えないダイナミックな演出にも注目が集まっている。取材に応じた品川監督に話を聞く。(取材・構成・撮影/床板京平)

“監督”と呼ばれることには抵抗がありました(笑)

―― 長編初演出となりましたが、達成感や手応えのほどはいかがでしたか?

それぞれのキャストがクランクアップを迎えたときは感慨深いものがありました。とくにSUGURU君がアップした日や、あとワン公役の若月徹君、波岡一喜君、水嶋ヒロ君のクランクアップの日が同じだったので、徹が泣きそうになって浪岡君もちょっとグッときて、僕も目頭が熱くなる瞬間がありました。すごいジーンときましたね。

――お笑いをやっている経験が今回の映画の現場でプラスになったことは?

現場がピリついたときに笑いで和ませることができましたね。セッティングに時間がかかったりするとどうしてもピリピリしてしまうんです。監督と呼ばれることに抵抗がありましたけど(笑)、僕自身が笑いをということもありました。芸人たちもいたので彼らをいじったり、怒られている若いスタッフを笑いで癒したりしました。

 

不良になればカッコいいしすぐモテるんじゃないかと

―― 不良映画や不良に人は惹かれてしまうものですが、品川さんの場合は?

カッコいい、憧れの的でしたね。当時は不良になることで女子にモテるとも思っていました(笑)。それこそファッションの一部のような感覚ですね。事実、僕らの時代は不良がめちゃくちゃモテてた時代でした。僕自身は不良に対するポリシーなどなかったような気がします(笑)。髪の毛を染めてボンタンをはけば完成みたいな。

―― プロ野球の選手や Jリーガーに憧れることと同じと考えていいですか?

いや、全然違います(笑)。プロ野球選手やJリーガーになるには人並み外れた努力や才能が必要じゃないですか。ところが、不良は即日誰でもなれるんです(笑)。不良になればカッコいいしすぐモテるんじゃないかっていう不純な動機をすぐに実行に移せた。その分、ケンカを売られる機会が増えるリスクも高くなりますけどね。

 

タランティーノが会いたいって言ったら吉本辞めます

―― 当時は不良が不良らしかった時代だったと思いますが、いかがですか?

そうですね。それに僕らの頃はかの「湘南爆走族」や「ビー・バップ・ハイスクール」など不良漫画の一大ブームが訪れていた時期ですよね。そのブームを受けて不良が日常的な存在だったうえに、高校を中退する人間がどういうわけか一番多かった時期でもありました。戻りたいとは思いませんが(笑)、楽しかった時代でしたね。

―― 将来的にお笑いと映画監督、どちらに重点を置いて活動をされますか?

本業はお笑いをやりたいです。冠番組にこだわって来ましたが、お笑いはライブで好きなことをやってテレビには呼んでいただければ続けていきたいです。そもそもライブで目の前にいる人を笑わせたいと思ったことが出発点ですから。ただタランティーノが会いたいって言ってくれたら吉本辞めてすぐアメリカ行きますけどね(笑)

 

プロフィール

品川ヒロシ

1972年生。東京都出身。1995年に現在の相方・庄司智春とお笑いコンビ「品川庄司」を結成する。多くのバラエティー番組で活躍する一方、2006年、自伝的小説「ドロップ」を発表。「月刊少年チャンピオン」で漫画化もされ、今回実写映画『ドロップ』として原案・脚本・監督の大任をこなした。「品川ブログ」も爆発的な人気を集め、「ガリレオ」(07)、『容疑者Xの献身』(08) などでは俳優として新境地も開拓した。現在多方面で活躍中。

バックナンバー

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作品紹介

『ドロップ』

監督・脚本:
品川ヒロシ

出演者:
成宮寛貴、水嶋ヒロ、本仮屋ユイカ、上地雄輔、中越典子、波岡一喜、若月徹、綾部祐二