
昨年11月にDVDリリースされた主演映画『アカデミー』では、全編英語で今までにないヴィヴィッドなキャラクターを演じ、新境地を開拓。海外の映画関係者の注目も集め、今後インターナショナルな活躍が期待される彼女の内面に迫ります。
(取材・構成/高山リョウ 撮影/宮崎雄司)
「日本は育った場所、海外は旅先という感じ」
――
DVD『アカデミー』でのヴィヴィッドで自由奔放なキャラクター、今までのもの静かイメージと違っててビックリしました。
はじめて自分と全く逆の役を演じて、自分に今までなかったものを演じられたので、私としては逆に客観的に、映画の中の自分を見ることができました。見てて恥ずかしくなかった。今までは恥ずかしかったんですけど、今回、はじめて。
―― 『アカデミー』は全編英語。役柄的なものも大きいと思うんですけど、言葉の違いも大きい気がしました。英語で話す高橋さんは、感情が強く出てるというか。(※)
ああ、そうですね。けっこう英語で話してると解放感ありますね(笑)。
――『アカデミー』の撮影はオーストラリア。2007年の高橋さんはパリに語学留学したり、アメリカ旅行に行ったり。日本より海外の方が合ってるとか???
うーん、どうですかねえ。日本は育った場所なので、海外に出かけていく時はやっぱり新たな世界を見ている感じがします。やっぱり日本人の感覚の方が強いと思うんですよ、アメリカ人というよりは。だから海外は旅先という感じですね。
――
語学留学したパリの印象は?
最初行った瞬間から好きだった(笑)。フランス語は大学で2年間、第二外国語として勉強していたんですけど、やっぱり街が好きになれないと、そこの言葉を話そうって気にもならない。去年の4月に大学を卒業しても、まだフランス語を勉強してるっていうことは、それだけ好きなんでしょうね。在学中は語学とかすごい嫌いと思ってたんですよ、私。外国語学部だったんですけど、なんで入っちゃったんだろう?って(笑)。
―― それがパリに行った後では。
勉強してても苦にならない。単語とか覚えるのも嫌いだったはずなんですけど、すっと入ってくる。
――フランスに興味を持ったきっかけは?
大学に入って19歳の時、初めてヨーロッパをまわって。それまでは祖父母がいるアメリカにいつも行ってたんですけど、ヨーロッパとアメリカの違いに衝撃を受けて。初めて行ったのはロンドンだったんですけど、歴史を感じるじゃないですか? 建物も街なみも重厚な感じで「こんなところがあったんだ!?」って。
――きっかけはロンドン。じゃあロンドンにないパリの魅力は?
パリはカフェ文化が(笑)やっぱり好きですね。とりあえず道歩いてたら何軒でも見つかるし、そこで話してるおじさん達とかウェイター同士も仲がよくって、本当に普通の生活の一部になってる。家で1回コーヒー飲んでから、また外に出てコーヒー飲んで…みたいな感じで根付いているから、自然な感じがしますね。
(※)高橋さんは映画監督でアメリカ人の父を持ち、3歳までサンフランシスコで生活。
「自分のカラを破るきっかけにもなるかなって。」
――
『アカデミー』の撮影が行なわれたオーストラリアの印象は?
オーストラリアは、人がのんびりしてる印象が強いかもしれない。時間にもうるさくなくて、待ち合わせに遅れる人がいても“みんなでお茶してればいいか”みたいな感じで。
――じゃあ撮影現場の雰囲気も日本とは違って?
8時間しか労働しちゃいけない決まりがあって、1日に。アメリカもそうですけど、映画のユニオンで決まってるらしくて。だから逆にせかされた部分はあります。最後の30分とかはみんな大慌てで「早く!早く!」とか(笑)。それで終わった後は自由時間がいっぱいあるから、そのギャップが面白かったですね。
―― 高橋さんが『アカデミー』で演じた“千穂”は、感情表現が激しくて、ビジュアル的にも派手なキャラクターでしたが、抵抗はなかったですか?
なんかすごい面白いなと思って、むしろやりたいと思いました。自分のカラを破るきっかけにもなるかなって。最初、監督のギャビンと、日本のプロデューサーさんと3人で会った時、私はおとなしすぎて千穂の役はできないだろうって、プロデューサーさんに違う役をオファーされたんですよ。イメージと違ってたみたいで。
――どのイメージと?
グリコのウォータリングキスミントガムのCMで「Watering!」って言ってる。
――アレはインパクト大ですよね(笑)。
でも会ったら全然そういう子じゃないから、すごい不安だったらしくて。だけど私は「いや、できる、やります!」って(笑)。結局、「Watering!」のイメージで来てくれたらよかったらしくて、「これからオーディション行く時もなりきって行った方がいいよ」ってアドバイスされました(笑)。
――『アカデミー』は蛍光色が印象的なカラフルな映画。初登場の場面での千穂のビジュアルも、アニメから抜け出たキャラみたいでした。
千穂の精神的な成長につれて、だんだんとファッション的にも落ち着いてくるんですけどね。監督は千穂の感情のグラフとかも作っていて、それを見ても、だんだんと波が落ち着いてくる感じでした。
――個人的には、最後までブッ飛んだキャラで突っ走ってほしかった気もします。
ずっとああいう子でもいいですよね。私もそれには同感ですね(笑)。あのまま行っても面白いかもしれない。監督は千穂が変わっていく姿を描くことで、成長を描きたかったんでしょうね。
「いつもスタートでいたい。」
――『アカデミー』で新境地を開いて。今後演じてみたい役とかは?
ひとつ、ロンドンで映画を撮影することは決まってるんですけど、けっこういろんな脚本読んでると、どんな女性も面白いなと思っちゃいますね。千穂のようなエキセントリックな役のオファーも来てるんですけど、同じイメージでは固めたくないですね。また違う自分を表現していきたい。なんか、会社員とか。
――それはまた意外(笑)。
大学を出て、みんな友達が就職をしてて、いろんな話を聞くんですよ。会社員としての大変さとか、逆に仕事の面白さとか。私はそれを実際には経験できないから、映画で経験してみたいなって。海外の映画にも興味はありますけど、日本の映画にも出ていきたい。
――
ホームページで“5年ごとに将来の自分をイメージする”と書いていましたが、大学を卒業した今、新たなスタート地点ですか?
スタートにしたいですね。いつもスタートでいたい。途中もいやだし、終わりもいやだ(笑)。5年後は27歳…27には大人になっていたい。いつも大人の自分を思い描いて、結局子供なんで。“自分が大人になれる時って、いったいいつなんだろう?”って、いつも思ってますね。
高橋マリ子
たかはしまりこ 1984年サンフランシスコ生まれ。映画監督でアメリカ人の父を持ち、3歳までサンフランシスコで生活。モデル・女優として雑誌、CM、映画で幅広く活躍。2007年11月にDVDが発売された主演作『アカデミー』では、今までにないヴィヴィッドなキャラクターを全編英語で演じ、女優としての新境地を開拓。海外の映画関係者からの注目も高まり、インターナショナルな活動も今後大いに期待される。
高橋マリ子オフィシャルサイト
バックナンバー
- 2008.1.30 映画『≒草間彌生 わたし大好き』 松本貴子監督インタビュー
- 2008.1.29 映画『Academy』主演 高橋マリ子さんインタビュー
- 2007.12.27 映画『グミ・チョコレート・パイン』公開記念 黒川芽以さんインタビュー
- 2007.12.14 『ボビー・オロゴンの日本文化講座 美しい国、ニッポン。』発売記念 ボビー・オロゴンさん インタビュー
- 2007.12.03 大駱駝艦35周年記念公演『カミノコクウ』『カミノベンキ』 麿赤兒さんインタビュー
- 2007.10.31 ブログ本『マーボー豆腐は飲み物です。×ViVi』若槻千夏さんインタビュー
- 2007.09.04 『世界はときどき美しい』 片山瞳さん インタビュー
- 2007.09.04 『世界はときどき美しい』 松田美由紀さんメッセージ
- 2007.08.28 ミュージカル『あらしのよるに』 山本芳樹さん インタビュー
>>2007年のインタビュー一覧


