
昨年、東京国際映画祭「日本映画・ある視点」に公式出品され、高い評価を受けた映画『世界はときどき美しい』が豪華な映像特典を満載した2枚組でDVD発売された。5つのエピソードを実に美しい映像で見せてくれるこの作品は近年の邦画の中でも突出した完成度を誇っている。
今回はその第3章「彼女の好きな孤独」に主演した片山瞳さんに映画製作の裏話を聞くことができた。
今回は映画出演が初めてだったので・・・
―これまでモデルで活躍してきましたが、映画出演へのきっかけを教えてください。
モデルのお仕事は10年くらい続けてきたのですが、「流行通信」というファッション誌に載った私のポートレートに御法川修監督が眼を止めてくれたのがきっかけです。その写真は私が19歳のとき、写真家の沢渡朔さんに撮影してもらったものなんですが、自分でも特に気に入っていた写真だったので、それがきっかけになったというのは本当にうれしかったですね。
―芝居をする上での不安とかはありましたか?
映画出演は初めてだったので、当初何をどうしていいのか全く分からず、台本をもらってもこれがどういう形になるのかイメージできなかったんです。そんな時、御法川監督が「演技というものを求めているわけではないから、そのままの自分の芯をしっかり強く持って、心を健やかに高めてやってみてください」と言ってくださったことで、凄くラクになりました。DVDの特典で市川実日子さんもお話しされてましたけど、御法川監督の演出法って、「役を通して、役者個人に興味を持って、深く掘り下げてくれる」んです。
御法川監督は非常に細やかな神経を持った方で・・・
―この映画はオムニバス作品ですが、短編ならではの苦労とかはありましたか?短い間に印象付けないといけないとか。あと会話の雰囲気も非常にナチュラルに感じたのですが。
そこまでの想像力は働きませんでした・・・(笑)。目の前にある脚本の人物がどういう心境でいるのかを考えて、必至に取り組んでいました。台詞については台本どおりなんですが、間とか共演の瀬川亮さんとのやり取りの呼吸は現場でアドリブ的にやってみました。
―現場では御法川監督から細かい注文はあったのですか?
余りなかったですね。でも逆に「凄く期待しているよ」みたいなオーラが出ていて、「何かやってくれるんだろうな」みたいな感じで待っているので、それが常にプレッシャーでしたね。私の勝手な思い込みかもしれませんが・・・。
でも撮影自体はそんなに何度もやり直しすることもなくスムーズに進みました。現場の雰囲気が凄く愛情あふれる形だったのが良かったんですね。御法川監督は非常に細やかな神経を持った方で、現場でも隅々まで愛情を持って接してくれていたんです。今回DVDで見直してみて、そうした現場の空気感が映画にもしっかり残っていました。一つ一つのやり取りを思い出しても、しっかり計算されていたことも分かりました。
ヌードシーンはちろん恥ずかしいですよ(笑)
―初めての作品ですが、ヌードシーンもありました。とても綺麗に撮影されていましたが、ご自身ではどう思っています?
もちろん恥ずかしいですよ(笑)。でも御法川監督はそうした点もきちんとケアしてくれて、凄く気を配ってくれたので、私も「何でもやるぞ!」って気になれたんです。スタッフも必要最小限にしてくれて、事前にスタッフがどんな作業をするか、輪になって全部説明してくれたので、何の心配もありませんでした。
―片山さんのパートにはナレーションもありましたが、カメラ前の演技との違いって感じましたか?
ナレーションの収録は撮影からだいぶ時間が経っていたので、役と同じ気持ちに高めていくのは大変な作業でしたね。また話だけの難しさというものも実感しました。収録中は必死に頑張ったんですが、見直してみると「こうすればよかったかな」とか「こんなやり方があったのでは?」と後悔の連続ですね(笑)。
見る度に自分の中に入ってくることが違ってくる・・・
―自分が出演しているエピソード以外で気に入っている話はありますか?
松田美由紀さんが出演している第1章「世界はときどき美しい」と、市川実日子さんの第5章「生きるためのいくつかの理由」ですね。どちらも女性の話です。特に第1章は見る度にいろんな事を感じさせてくれます。自身との会話というか、他の映画ではこうした要素って見当たらないと思うんです。
―片山さん自身はこの作品を映画館でご覧になったのですか?
映画館には10回くらい行ってしまいました!見る度に自分の中に入ってくることが違ってくるんですね。普通、映画をそんなに何度も見ることって、ないですよね。でもこの映画はその時の心境によってメッセージを感じたり、風景も違って見えたりするので、何度も見てしまうんです。特にDVDでなら何度も見れると思うので、是非繰り返し見てほしいですね。
―DVDでこの映画を見るということはどう思います?
映画館って、特別な空間だと思うんです。そういう場所で作品を見ることは、何か特別なことだという印象があったんですね。この作品は日常の話なので、家で見ることで、作品の印象が非常に身近なものに変わってくるんじゃないかと思うんです。映画館とはまた別な感じ方ができると思いますよ。
あとDVDの特典に隠しコマンドが2つあるので、そこに収録してある特典も楽しんでもらいたいですね。1つだけネタばらししちゃうと、第1章のオリジナルバージョンが入っているんです。本編とは音の使い方も全く異なっているので、そこにも注目して見て欲しいです。あと『メモワール「ひとつの映画が創られるということ」』というスチールで構成された素晴らしい作品も入っているので、こちらもオススメです。
何回見てもいろんなメッセージが受け取れると思います。
―DVDを購入される方へのメッセージをお願いします。
この映画は細やかで、とても繊細な作品なんです。何回見てもいろんなメッセージが受け取れると思います。繰り返し見ることで、人生の何かきっかけとなるものをつかんでくれるとうれしいですね。自分の感受性も刺激してくれる、素晴らしい作品です。
片山瞳
1980年9月22日福岡県生まれ。
97年「elite Model Look '97」全国大会出場を機に、モデル活動をスタート。
98年より東京で本格的にモデル活動を開始。
多くのファッション誌の誌面を飾り、「ROLEX」「Hysteric Gramer」等広告でも活躍、
「CHANEL」「FENDI」「ARMANI」などの東京コレクションをはじめ、
多くのショーに出演する。
映画『世界はときどき美しい』(御法川修監督)の主演に大抜擢され、
女優としての活動を開始。
その存在感が話題となる。
『世界はときどき美しい』御法川監督との書簡ブログ公開中。
> 『世界はときどき美しい』公式Blog
- 2007.09.04『世界はときどき美しい』 片山瞳 インタビュー
- 2007.09.04『世界はときどき美しい』 松田美由紀メッセージ
- 2007.08.28 ミュージカル『あらしのよるに』 山本芳樹 インタビュー
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