慶應義塾大学経済学部教授 1952年生まれ
[出演者] ロベルト・ベニーニ/ニコレッタ・ブラスキ [監督] ロベルト・ベニーニ [発売日] 2009/11/20 [価格]¥1,890 (税込) [販売価格] ¥1,701 (税込) [割引額] ¥189 (10%OFF)
ユダヤ人家族が強制収容所に送られる話で、これも作り方が非常にいい映画。前半は主人公が好きになった女性と結婚するまでの、ほとんど喜劇なんだけど、それが後半に効いてくる。収容所に送られた主人公は、幼い息子が怖がらないように「これはゲームなんだ」と言い聞かせ、悲惨な状況に気がつかないように常に笑わせる。自分が殺される寸前まで。最も悲劇的な状況で演じられる喜劇という構図が、ズンと胸に迫ってくる。悲しいときに悲しいと言わず、笑いと悲しい状況という対極のものを組み合わせる。力作ほどさりげなさの中に戦争の悲惨さを見せるものです。
[出演者] マーロン・ブランド/マーティン・シーン/ロバート・デュバル [発売日] 2002/09/26 [価格]¥3,990 (税込) [販売価格] ¥3,591 (税込) [割引額] ¥399 (10%OFF)
ベトナム反戦映画の最高峰。正直言って難解なんだけど、戦争映画の"パターンはずし"が至る所に散りばめられているという作り方が、とにかくスゴイ。普通、戦争映画といえば勇ましかったり助け合ったりという物語、あるいは逆に戦場そのものを映さずに後から振り返った悲惨さを描くというパターンなんだけど、そのどちらにもしようとしていない。主人公が死線を彷徨いながら生き抜くみたいな、どこか予定調和的な戦争映画がほとんどの中で、これほど戦場に存在する"異様さ"をリアルに描いたものはないでしょう。私の好きな小説『本当の戦争の話をしよう』とも通じるものを感じます。
[出演者] 田中好子 [監督] 今村昌平 [原作] 井伏鱒二 [発売日] 2007/12/21 [価格]¥2,625 (税込) [販売価格] ¥2,363 (税込) [割引額] ¥262 (10%OFF)
広島に投下された原爆による黒い雨を浴びて原爆後遺症に悩まされる女性を描いた、井伏鱒二の有名な小説の映画化。原作が井伏鱒二という点にこの映画の重みがある。井伏鱒二は純粋な文学者で、特に反戦小説を書いていた人ではない。明確な反戦メッセージがこめられているのは、ただこの一作といっていい。その辺の重みがわからないと、若い人が観たら『セカチュー』並みの、ただ普通に悲しい映画になっちゃう可能性もある。是非、小説と合わせてこの映画を観てほしい。できれば井伏の他の小説を読むと、私の言いたいことが一層わかると思うんだけど、若い人はあまり小説読まないからなあ。
[出演者] ソン・ガンホ/イ・ビョンホン/イ・ヨンエ [発売日] 2001/11/22 [価格]¥5,040 (税込) [販売価格] ¥4,536 (税込) [割引額] ¥504 (10%OFF)
韓国と北朝鮮が睨み合う38度線。その警備に就いた両国の兵士たちの間である事件が起こる。韓国で大ヒットしたサスペンス映画。南北対立の最前線という現場の緊張感の中で、人間同士のさりげない交流があり、意志が通じる瞬間がある。そのシーンがいい。最初からいがみ合って殺し合うのではなく、反対に雪解けムードで仲良くしようというオーバーなプロパガンダ映画でもない。ところどころで心が通い合うのに、なかなかお互いに上手くいかない。それこそが今の南北朝鮮の状況を深く描いていると思う。それと同時に、事件を通じて対立することがいかにアホらしいかというメッセージも伝わってくる。こういう作り方が、いい映画の条件だと思う。
[出演者] 滝沢修 [監督] 山本薩夫 [原作] 五味川純平 [発売日] 2005/12/09 [価格]¥6,825 (税込) [販売価格] ¥6,143 (税込) [割引額] ¥682 (10%OFF)
『人間の条件』と同じく五味川純平の原作で、昭和初期、戦争への道を歩んでいく日本で時代に翻弄される人々を描く大河ドラマ。怖いのは現在の日本の政治・経済の状況が、この映画の時代と似てきていることです。当時は昭和大恐慌が起こり大量の不良債権が表面化、当時のグローバルスタンダードである金本位制などを取り入れた。その後、国内経済の困窮もあって満州事変、日中戦争へと突っ込んでいく。そして現在はバブル崩壊以降の長い不況が続いた一方で、小泉政権は自衛隊のイラク派遣、有事法制、憲法改正論議などきな臭い方向へ動き始めている。マルクスは「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として。二度目は喜劇として」と言いましたが、我々は今、喜劇を演じようとしているのかもしれません。
「冷たい熱帯魚」「恋の罪」 で日本映画監督賞を受賞した園子温監督の「冷たい熱帯魚」公開時のインタビュー。 [2011年3月4日掲載]
「大鹿村騒動記」の熱演で主演男優賞を受賞した故原田芳雄さん。このインタビューは「黄金花 秘すれば花、死すれば蝶」 [2011年1月17日掲載]